殺人鬼からのラブレター
「お父さん……こんな所に住んでたんだ」
その女子高生は目に涙を溜めて、立ち入り禁止テープの張り巡らされたテントの前で、小さくそう呟いていた。
「お母さんがなんて言おうが、私、お父さんのこと探してたんだよ。それが、こんな形で……殺されただなんて、報道で知ることになるなんて……。ううっ、私にとってのお父さんは、お父さんだけだったのに……」
川澄 吾郎のことを知れば知るほど、彼を殺す際に包丁を握る力は弱まってしまった。
知らなければ良かったとさえ、後悔もした。
しかし、越えてきた日々が揺らいだとしても。
彼を殺さなければアイが殺されてしまうんだと、軋む心に何度も言い聞かせた。
その女子高生は目に涙を溜めて、立ち入り禁止テープの張り巡らされたテントの前で、小さくそう呟いていた。
「お母さんがなんて言おうが、私、お父さんのこと探してたんだよ。それが、こんな形で……殺されただなんて、報道で知ることになるなんて……。ううっ、私にとってのお父さんは、お父さんだけだったのに……」
川澄 吾郎のことを知れば知るほど、彼を殺す際に包丁を握る力は弱まってしまった。
知らなければ良かったとさえ、後悔もした。
しかし、越えてきた日々が揺らいだとしても。
彼を殺さなければアイが殺されてしまうんだと、軋む心に何度も言い聞かせた。