殺人鬼からのラブレター
理不尽な理由によって、アイや福田 幸枝は殺されるのだ。


それも、全く関係の無い人物たちによって。

……許せない。


俺はこの2人を殺せるように、何回も日程を練り直した。


だが、中々上手くいかなかった。

川澄と五十嵐を下手に殺し続けて、警察にバレた時も幾度と無くあった。


それは2日の早朝、五十嵐 大輔の殺害を全うするも、コンビニの防犯カメラに偶然にもその光景が映っていたらしく、俺は同日の夕刻には警視庁に連行されていた。


「連続殺人犯がまさか、地元の高校生だったとは」
「北山……蓮くん、だったね。どうして川澄 吾郎さんと、五十嵐 大輔さんを殺害したんだね? 動機はなんだい」



取り調べ室で2人の警察官が真正面からそう尋ねてくるが、俺はポケットに手を入れたまま、俯き固く口を閉ざす。

(嗚呼、また防犯カメラの死角に入るのを忘れていた)なんて現実味の帯びない瞳で、現状を見つめる。


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