殺人鬼からのラブレター


誰かに狂ってると言われようが、後ろ指さされようが、構やしない。


自分にそう言い聞かせ、時を越えてきた。


そして、やっと……待ち望んでいたその日がやってきた。

ついに、警察にもバレずに2人を殺してアイを12月3日まで生き永らえさせることに成功したのだ。


これで終わるだろう。


今が何度目の12月1日かさえ、分からない。


11月30日が、5年も10年も前のことに感じる。

その日、自分がどんな顔をして、どんな言葉を吐いて、どんな行動を取っていたかさえも……忘れてしまった。


やっと、やっと。

この手が血に濡れる度に嗚咽を漏らし、アイを救えない悪夢にピリオドを打てる。

そう、思っていたのに。
< 133 / 158 >

この作品をシェア

pagetop