殺人鬼からのラブレター
誰かに狂ってると言われようが、後ろ指さされようが、構やしない。
自分にそう言い聞かせ、時を越えてきた。
そして、やっと……待ち望んでいたその日がやってきた。
ついに、警察にもバレずに2人を殺してアイを12月3日まで生き永らえさせることに成功したのだ。
これで終わるだろう。
今が何度目の12月1日かさえ、分からない。
11月30日が、5年も10年も前のことに感じる。
その日、自分がどんな顔をして、どんな言葉を吐いて、どんな行動を取っていたかさえも……忘れてしまった。
やっと、やっと。
この手が血に濡れる度に嗚咽を漏らし、アイを救えない悪夢にピリオドを打てる。
そう、思っていたのに。