殺人鬼からのラブレター
彼に私に救いを
***
血塗れのレンから全ての真実を聞き終えた私とタケは、その場に固まったままどちらも口を開けないでいた。
ただ、私の瞳からは……静かに涙が零れ落ちていた。
こんなにボロボロになるまで私を助けようとしてくれた彼に、人を殺してしまったレンに……どうしようもなく、悲しくなったから。
「ちょっと待て、レン」
タケは動揺しながら、血塗れで地面に倒れるレンに歩み寄る。
「サチエが、死んだ? 通り魔に刺されて?なんでそんな適当なことが言えんだよ! 嘘ついてんじゃねぇ! 」
「嘘じゃねぇーよ、事実だ……」
タケがグッと胸ぐらを掴むと、痛そうにレンは眉間にシワを寄せた。
「さっきも、言ったが……、通り魔からサチエを庇おうとして、刺された……。それが、俺が怪我してる理由だ……」
よく見ると、彼の身体の下には血溜まりが出来ている。
タケは短く舌打ちし、彼の胸ぐらからそっと手を放した。
喋るのも辛そうで痛々しい姿をしたレンは、尚も言葉を続ける。
「絶対に、サチエを助けたかった。何故なら、アイ……それはお前を助けるためでも、あったからだ」
「わ、私を助けるため? 」
「ああ。お前はサチエが死んだことによって、自責の念にかられ、数日後に自殺する……」
それはあまりにも真っ直ぐで迷いの無い声だった。
そして、私の心に生まれ始めている感情を見透かしている、グサリと突き刺さるような言葉でもあった。
血塗れのレンから全ての真実を聞き終えた私とタケは、その場に固まったままどちらも口を開けないでいた。
ただ、私の瞳からは……静かに涙が零れ落ちていた。
こんなにボロボロになるまで私を助けようとしてくれた彼に、人を殺してしまったレンに……どうしようもなく、悲しくなったから。
「ちょっと待て、レン」
タケは動揺しながら、血塗れで地面に倒れるレンに歩み寄る。
「サチエが、死んだ? 通り魔に刺されて?なんでそんな適当なことが言えんだよ! 嘘ついてんじゃねぇ! 」
「嘘じゃねぇーよ、事実だ……」
タケがグッと胸ぐらを掴むと、痛そうにレンは眉間にシワを寄せた。
「さっきも、言ったが……、通り魔からサチエを庇おうとして、刺された……。それが、俺が怪我してる理由だ……」
よく見ると、彼の身体の下には血溜まりが出来ている。
タケは短く舌打ちし、彼の胸ぐらからそっと手を放した。
喋るのも辛そうで痛々しい姿をしたレンは、尚も言葉を続ける。
「絶対に、サチエを助けたかった。何故なら、アイ……それはお前を助けるためでも、あったからだ」
「わ、私を助けるため? 」
「ああ。お前はサチエが死んだことによって、自責の念にかられ、数日後に自殺する……」
それはあまりにも真っ直ぐで迷いの無い声だった。
そして、私の心に生まれ始めている感情を見透かしている、グサリと突き刺さるような言葉でもあった。