殺人鬼からのラブレター
「なんでっ....!なんで、どうして、私の家族も死ぬなんて....っ」

家族にまで飛び火する手紙の内容に、恨みさえ込み上げてくる。

「それに、ストーカーが私を殺す?!この手紙の差し出し人が、私をっ....?助けてくれるんじゃ、ないの....っ」

「落ち着け、アイ」

俯くレンが柵越しに、優しく語りかけてきた。

「お前は死なないよ」

顔を上げた彼は、手にしている手紙をグシャリと強く掴んだ。

「大丈夫だ。俺が守ってやる」


いつの日か、幼い頃に聞いたその言葉。


そう言ってレンは、小学生の頃に海で溺れた私を助けてくれたんだ。


約束を破ることを知らない純粋な彼の性格らしい台詞に、ストンと心臓を掴まれる音がした。


幼馴染みからそんなことを言われて、好きにならないワケがない。


彼の真っ直ぐな熱い瞳に、私の鼓動はいつもバクバクと打ち鳴らされる。


< 47 / 158 >

この作品をシェア

pagetop