殺人鬼からのラブレター
***




またレンのおかげで死を乗り越えることができた私は、益々彼に惹かれつつあった。


(なんでここまでして助けてくれるんだろう、なんて優しさの意味を知ろうとするのは、愚鈍だろうか)


前方に、小さく我が家の明かりが見える。


もうすぐ隣を歩ける魔法の時間が、終わってしまう。

「今日もありがとね、レン」

「おう」

あと数メートルで自宅に着く、その間際。


突然、後ろから恨みを帯びた声音で声を掛けられる。


「ねぇ、アイちゃん。どうして他の男と、仲良くするの? 」


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