殺人鬼からのラブレター
チクタクと、時を刻む時計と睨めっこすること数時間。


時は夕方、午後5時40分。


商店街で通り魔が発生するまで、残り20分となった。


「はぁ〜、何か疲れた」

教科書を開いた机の前で椅子を傾け、大きく伸びをする。


「喉乾いたし、キッチンに行こーっと」

携帯の音楽を止めて、私は階段を降りた。

「あれ? 」

キッチンに向かうと、何故か両親がコートを羽織り始めていた。

「お母さんとお父さん、何処かに出掛けるの? 」

薄っすらと化粧を施したお母さんが、その問いに答える。


「そうよ。買い物に行くの。アイも一緒に来る? 」

エコバッグを鞄に入れながら答えた母の買い物というフレーズに、脳が敏感に反応する。


「お母さん。買い物ってもしかして、商店街に……? 」

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