彼女が指輪をはずすとき
「お前出欠表提出してなかったのかよ」
「完全に忘れてたわ」
俺は亘さんへの緊張から解き放たれ、ふうと深いため息をつく。
「幹事が亘さんなのに、度胸あるな」
「飯沼に言われたくない」
この会社に入社して2ヶ月。
だいぶ会社の仕事にも、人間関係にも慣れてきた頃。
俺たち新入社員の歓迎会が開催されることになった。
「初の会社の飲み会かあ…飲まされるのかな」
飯沼はお酒に弱く、飲まされることを想像して顔が青ざめている。
見た目はチャラくて飲めそうに見えるが、ビールはジョッキ一杯が限界らしい。
「学生時代にかなり鍛えられたと思うんだけどな」
俺は学生時代はテニスサークルで、飲み会ではよく飲まされていたためお酒には強く、介抱にまわる側だった。
潰れたことがないので限界がわからない。
「藤堂さんも来るのかな」
飯沼は机にくっ伏したままちらっと彼女のほうを見る。
「行くって言ってたよ」
俺がそう言うと、飯沼はキラキラとした笑顔で勢いよく起き上がりガッツポーズをする。
「ほんとか!?飲み会楽しみだな!!」
さっきまで青ざめた顔をしていたのに、単純なやつだな。
俺は元気になった飯沼を横目に見ながら、藤堂さんに指摘されたミスを直すためにパソコンのデータを開いて、カタカタとキーボードを打ち始めた。
「完全に忘れてたわ」
俺は亘さんへの緊張から解き放たれ、ふうと深いため息をつく。
「幹事が亘さんなのに、度胸あるな」
「飯沼に言われたくない」
この会社に入社して2ヶ月。
だいぶ会社の仕事にも、人間関係にも慣れてきた頃。
俺たち新入社員の歓迎会が開催されることになった。
「初の会社の飲み会かあ…飲まされるのかな」
飯沼はお酒に弱く、飲まされることを想像して顔が青ざめている。
見た目はチャラくて飲めそうに見えるが、ビールはジョッキ一杯が限界らしい。
「学生時代にかなり鍛えられたと思うんだけどな」
俺は学生時代はテニスサークルで、飲み会ではよく飲まされていたためお酒には強く、介抱にまわる側だった。
潰れたことがないので限界がわからない。
「藤堂さんも来るのかな」
飯沼は机にくっ伏したままちらっと彼女のほうを見る。
「行くって言ってたよ」
俺がそう言うと、飯沼はキラキラとした笑顔で勢いよく起き上がりガッツポーズをする。
「ほんとか!?飲み会楽しみだな!!」
さっきまで青ざめた顔をしていたのに、単純なやつだな。
俺は元気になった飯沼を横目に見ながら、藤堂さんに指摘されたミスを直すためにパソコンのデータを開いて、カタカタとキーボードを打ち始めた。