彼女が指輪をはずすとき
ーーーーーーー
…行ったか。
屋上にひとり取り残された俺は、煙草を一本取りだし火をつける。
何であんなこと言っちまったのかな、俺。
あんなくさい台詞。
青空に向けてふうっと煙草の煙を吹き出す。
馬鹿だわ俺。
本当に言いたかったことは他にあったのにな。
フェンスに持たれながら、後悔の深いため息をはきだした。
”だから彼以外の人を好きになってもいいと俺は思う。……例えば俺とかな”
それこそくさいし、言えるわけないけどな。