新しいカンケイ
それから、私たちは休みが会うたびにデートを重ねた。秋の風が強くなってきた頃、私は副店長にマフラーをプレゼントした。これは、わたしが、夏の終わりから編み上げた手作りのマフラー。もし、貰われることがなかったら自分で使おうと思っていたマフラー。副店長は背が高いからマフラーが小さく見える。
「もっと、大きなマフラーにすれば良かったね」
「いや、ちょうどいいよ。ありがとう」
「良かった」
「そういえば、今日は話があるっていってたけど、何かあったの?」
私は、緊張して切り出した。
「うん。あのね、付き合って3ヶ月もたつのにキスもしてくれないのはなんで?」
「ああ、そのことか。それは、おまえを大事に思っているからだよ」
少し照れたように言う。
「ほんとに?」
「…実は、怖いんだよ。前彼女に振られてから怖いんだ。女に触れるのが。一度したら、抑えが効かないからさ、俺」
そう言った彼の手は小さく震えていた。
「大丈夫。私は大丈夫。副店長は、長男じゃないから、うちに婿に来なよ。ずっと、一緒にいてあげられるよ」
どさくさに紛れて、婿養子にきてと、アピールしてみる。
「…考えてみるよ」
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