新しいカンケイ
「久しぶりだね、元気?」
彼は、いや、旦那さまは、のほほんとしていた。鳥取県の米子市は小さな商都で、北に日本海を望み、南に大山(ダイセン)を望み、自然豊かなところだった。雪がたくさん積もっていて雪国みたい。というのが、素直な感想。
「こんなんだと、雪かきが大変でしょ?」
「なんか、太った?」
「太ってなんかないわよ!ちょっと、塩ちゃんこ食べ過ぎただけ。あんたにも、塩ちゃんこ作ってあげるから。塩ちゃんこ!お餅もたくさん持ってきたから食べてね」
「うわー、いっぱいあるね。重たかったでしょ、ありがとうね」
そんなに笑顔で言われると、ついにやけちゃって、、あっ、忘れていた。
「そうそう、これが一番大切な物」
そう言って、小さな袋を差し出した。
中には、夜なべして作った海の色のハンカチを入れてある。
「なに、手作りなの?嬉しいな。あっ、イニシャルが入れてある」
「そうだよ、これに私の香水をつけて私を思い出してね。と言うことで、香水買いにいこ。新しい家も見せてね」

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