クール上司の甘すぎ捕獲宣言!


「ありがとうございました」

「優花ちゃん、とてもキレイだよ」

「お幸せに」

和やかな雰囲気のまま、披露宴はお開きとなった。出口では、新郎新婦の二人が、招待客に一人ひとり挨拶をして、見送っている。

時刻は間もなく午後九時になろうとしていた。

明日から井村くんと優花ちゃんは新婚旅行に行くのでこのまま近くのホテルに泊まるらしい。そのため、この後に二次会は無い。

「香奈ちゃん、これからどうする?」

アヤちゃんが聞いてくる。

「どうしようかな……」

彰斗はともかく、他の皆とはせっかく再会出来て、同窓会みたいで楽しいし、このまま帰るのも寂しい気がする。

「じゃあ、皆に聞いてみようよ」

そう言うとアヤちゃんは、駅までの送迎バスをエントランスで待っている人達の方へと向かい出した。

私もその後に付いていく。

その中にサークルのメンバーが男女合わせて十人ほどいた。当然、彰斗も。

皆、考えていることは同じらしく、この後、どうするか、話していたらしい。

誰かが、「もう一度、飲み直そう」と言って、皆が賛同した。

すると、その中で、相川くんという男子が私の所にやって来た。少し顔が赤いから、お酒で酔いが回ってるのかもしれない。

「永沢さん、江田と同じ会社なんだって?」

「え……」

……ああ、彰斗が話したのか。



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