クール上司の甘すぎ捕獲宣言!
ゆっくりとまぶたを上げた。
静寂の中、薄暗い光に浮かび上がる、見慣れない白い天井。
……ここ、どこだっけ……?
私はゆっくりと首を傾けた。
同じベッドが数台並んだ部屋に、一人寝かされていた。
……病院……みたい……。いつの間にか、患者さんみたいな服、着せられてるし……。
どうやって、ここに来たのか、全く記憶がない。
確か、小野原さんの声が聞こえて、力が抜けて……。
それから……?
……あっ!朱音さん!
私は、慌ててベッドから跳ね起きる。
その時、部屋のドアが開いて、誰か入ってきた。
「……小野原さん……!」
小野原さんは私の顔を見ると、すぐに駆け寄ってきて--
「……!」
私の頭を自分の胸に押し付けるように、ぎゅっと、無言のまま力強く抱きしめた。
「……」
伝わってくる体温と鼓動が、私を落ち着かせてくれる。
私もその広い背中に手を回した。
「……小野原さん、朱音さんは?」
「別の部屋にいる。無事だ。……お腹の子も」
「そうですか……良かった……」
……小野原さんも知ったんだ……。驚いただろうな……。
小野原さんは私から体を離すと、今度はゆっくりと顔を近付けてきた。
……え、何……こんなとこで……?
キスされると思って、私は反射的に目を閉じた。