クール上司の甘すぎ捕獲宣言!
どうか、この手を取って




月曜日。

私は、ボーッとする頭で、業務パソコンに向かっていた。

朝、家を出る前に体温計で計ったら、三十六度九分、という微妙な数字だった。特に週明けは忙しいし、少しぐらいの風邪で会社を休むわけにはいかない。

大丈夫、と思って、出社したんだけど……。

……完全に風邪だ……。

クシュンッ……

一応、マスクして来て良かった……。本日、何回目のくしゃみだろう。さすがに、秋の夜の川の水は、冷たかったからな……。







昨日の日曜日の朝、朱音さんと対面することが出来た。

素直に謝る朱音さんに、以前のような気の強さはみじんも見られず、私も、言い過ぎたことを反省した。

同様に初対面のマサキさんにも、お礼を言われた。彼は、朱音さんのバイト先の先輩なのだそうだ。

その後、私はタクシーで帰ったんだけど、朱音さんは、念のため、二、三日、入院するみたい。

その夜、小野原さんから連絡があって、教えてくれた。
私が帰った後、叔父さん夫婦が病院に駆け付けて、朱音さんとマサキさんは今回のことを謝罪し、出産と二人の結婚を認めてほしい、と願い出た。小野原さんも一緒に頭を下げたみたい。
叔父さん夫婦も最終的には二人の決意を尊重してくれたんだそう。

といっても、朱音さんは大学生なので、いつから休学するとかは、病院の先生や家族と話し合って決めるみたい。

< 130 / 167 >

この作品をシェア

pagetop