クール上司の甘すぎ捕獲宣言!
「きっと、もうプライベートで素敵な彼女がいるのよ。あんな人、黙ってても周りが放っとかない、って。充実してるから、仕事も出来る、ってもんよ。恋愛も上級者レベルよ。だって王子だもん」と、笹倉さん。
確かに、その通りだと思う。
ああいう人は知らず知らずに恋愛テクを磨いて、もはや天上人のレベルになってるはず。
一般人では、攻略出来ないだろうな……。まあ、私には、関係ないことだけど。
それよりも、午後からまた忙しくなる。体力をつけておかなきゃ、と私は目の前に運ばれてきた料理に早速箸をつけ始めた。
◇◇◇
「永沢さん、これ、お願い」
午後一で、部長が私を呼ぶ。
「これ、至急、第二会議室に持っていってくれる?」
「はい」
私は厚い資料ファイルを抱え、廊下へ出た。そして、エレベーターに乗り込む。
少し私に緊張が走る。業務部のフロアを出ると、いつもこうだ。
そして願うことは、『彰斗に会いませんように』。
別に会ったって、構わないじゃない、って頭では分かってるんだけど。本当、嫌になる、この性格。
そう自己嫌悪に陥ってるうちに、目的の階に着いた。
廊下はシン、としている。誰もいないのかな?
私は第二会議室の扉をノックした。
「はい」
と、中から低い男性の声がする。
「失礼します」と小声で、扉を開けると、ガラリとした空間が目に飛び込んでくる。
誰もいない……?と思って、奥を覗くと--
一人だけいた。
会議用の机の中央で、ノートパソコンに向かっている、小野原課長が。
確かに、その通りだと思う。
ああいう人は知らず知らずに恋愛テクを磨いて、もはや天上人のレベルになってるはず。
一般人では、攻略出来ないだろうな……。まあ、私には、関係ないことだけど。
それよりも、午後からまた忙しくなる。体力をつけておかなきゃ、と私は目の前に運ばれてきた料理に早速箸をつけ始めた。
◇◇◇
「永沢さん、これ、お願い」
午後一で、部長が私を呼ぶ。
「これ、至急、第二会議室に持っていってくれる?」
「はい」
私は厚い資料ファイルを抱え、廊下へ出た。そして、エレベーターに乗り込む。
少し私に緊張が走る。業務部のフロアを出ると、いつもこうだ。
そして願うことは、『彰斗に会いませんように』。
別に会ったって、構わないじゃない、って頭では分かってるんだけど。本当、嫌になる、この性格。
そう自己嫌悪に陥ってるうちに、目的の階に着いた。
廊下はシン、としている。誰もいないのかな?
私は第二会議室の扉をノックした。
「はい」
と、中から低い男性の声がする。
「失礼します」と小声で、扉を開けると、ガラリとした空間が目に飛び込んでくる。
誰もいない……?と思って、奥を覗くと--
一人だけいた。
会議用の机の中央で、ノートパソコンに向かっている、小野原課長が。