クール上司の甘すぎ捕獲宣言!
「前の彼女は、俺と早く結婚したがってて、でも、俺が転職したら、これまで地道に築いてきたものが全て無くなって、一からスタートになるだろ? 生活面や経済面で彼女はすごく不安になったらしい。私との幸せと仕事、どっちが大切なのか、って言い出して、俺の話にも耳を貸さなくなって、すれ違いが続いて……別れたんだ」
「……」
こんな時に何て言ったら分からない。私はあえて言葉を探したりせず、黙っていた。
「香奈とは一緒にいて楽しかった。でも、俺は仕事の夢を諦められない。だけど、これを言ったら、香奈も前の彼女みたいに離れていくんじゃないかと思って、怖かったんだ」
……あの頃は、周りの友達はどんどん結婚していって、とうとう志帆も結婚して、私も焦ってた。
いつの間にか無意識に、彰斗を恋人ではなく、結婚相手として見ていて、それが彰斗に伝わって、知らず知らずのうちに彼を追いつめていたのかもしれない。
「仕事に慣れて自分に自信が付いたら、ちゃんと香奈に話すつもりだったんだ。でも、今の職場で……」
「……黒本さんに出会ったのね?」
「ああ……」
彰斗は力なくうなずいた。
「黒本は、俺の事務を担当してくれてたんだ。飲み会に行って、話す機会も増えて……その頃、黒本は小野原課長に告白したけどフラれて、落ち込んでたんだ」
「……え」
確か前に、笹倉さんが、小野原さんに告白して玉砕する女子がいる、って言ってたけど……黒本さんもそうだったのか……。
「話聞いたり、なぐさめたりしてるうちに……距離が縮まって……気付いたら黒本に気持ちが傾いてた」
「……要するに、乗りかえたんでしょ?」
「……うん……」
彰斗は口ごもった。
……まあ、よくあるパターンよね……。
「……」
こんな時に何て言ったら分からない。私はあえて言葉を探したりせず、黙っていた。
「香奈とは一緒にいて楽しかった。でも、俺は仕事の夢を諦められない。だけど、これを言ったら、香奈も前の彼女みたいに離れていくんじゃないかと思って、怖かったんだ」
……あの頃は、周りの友達はどんどん結婚していって、とうとう志帆も結婚して、私も焦ってた。
いつの間にか無意識に、彰斗を恋人ではなく、結婚相手として見ていて、それが彰斗に伝わって、知らず知らずのうちに彼を追いつめていたのかもしれない。
「仕事に慣れて自分に自信が付いたら、ちゃんと香奈に話すつもりだったんだ。でも、今の職場で……」
「……黒本さんに出会ったのね?」
「ああ……」
彰斗は力なくうなずいた。
「黒本は、俺の事務を担当してくれてたんだ。飲み会に行って、話す機会も増えて……その頃、黒本は小野原課長に告白したけどフラれて、落ち込んでたんだ」
「……え」
確か前に、笹倉さんが、小野原さんに告白して玉砕する女子がいる、って言ってたけど……黒本さんもそうだったのか……。
「話聞いたり、なぐさめたりしてるうちに……距離が縮まって……気付いたら黒本に気持ちが傾いてた」
「……要するに、乗りかえたんでしょ?」
「……うん……」
彰斗は口ごもった。
……まあ、よくあるパターンよね……。