クール上司の甘すぎ捕獲宣言！
聞きたくないけど、この際、はっきりさせてスッキリしよう。

「結婚式の日、相川くんが言ってたことは本当なんでしょ？ 私が重い女だ、って」

「……それは、俺がうかれてて……。黒本と付き合い始めた頃、相川に偶然会ってさ。可愛い彼女だな、って誉められて、舞い上がっちゃってさ……酒も飲んでたし、気持ちが大きくなって、つい、あること無いこと言って……でも、相川がその時の話を覚えてるなんて、思ってなかったんだ……ホントにごめん」

「……」

バカみたい。何か言う気にもなれない。

「でも、黒本は、結構キツイっていうか、思い通りにならないと怒る性格で……それも、最初の頃は可愛いと思ってたんだけど、だんだんしんどくなってきて、自分をごまかし続けるのも苦しくなってきて……この前、別れたんだ」

「……いつ？」

「結婚式がある前の週。いつか会社の廊下で、
話がしたい、って言ったことあっただろ？その頃だよ」

彰斗は目の前のコーヒーを一口飲んだ。

「……香奈は自分では気付いてないかもしれないけど、最近すごくキレイになったよ。香奈を見ると、前の好きだった頃の気持ちが戻ってきて、勝手だけど、やり直したいと思った」

「……ホント、勝手ね」

「ごめん……でも、話をする前に、結婚式の日、香奈を傷付けようなことになって、すごく後悔した。電話じゃ切られる可能性があったから、直接話をしたい、と思って、月曜日、香奈の部屋に行ったんだ……。そしたら、先に小野原課長が来てた」
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