クール上司の甘すぎ捕獲宣言!
「俺、神様がいるかどうかなんて、あんまりよく考えたことなかったけど、本当にいるのかもな」

「……?」

「ここで、香奈に引き合わせてくれた」

「あ……」

そうだ、ここで私達は出会った。

「……縁結びの神社の娘が言うことじゃないんですけど……私も、これまで神様なんていないんじゃないかと思ってたんです。いても、きっと私には微笑んでくれないんだろうな、と思ってました。恋愛運が無さすぎたから」

だけど、そうじゃなかった。

ここで、圭一さんと出会った。それも、ただ出会っただけじゃなく、私が圭一さんの上に落ちるというハプニング付きで。

もしかしたら、あの時、私が石段から足を踏み外したのは、神様がそうさせたのかもしれない。


私にこれまで良い出会いがなかったのも、神様にスルーされてたからじゃない。

きっと、神様は私に、圭一さんという最愛の人との出会いを用意してくれてたからなんだ。


「あの時、私を受け止めてくれて、ありがとう、圭一さん」

「ああ、すごくビックリしたけど」

圭一さんは笑いながら、石段を見上げる。

「でも、とっさに受け止めなきゃいけないと思ったんだ。それは、人として当たり前の行動だけど、何か別の……上手く言えるか分からないが……笑わないか?」

「笑いませんよ」

「香奈が階段から落ちてきた、というよりは…………空から降ってきた、と一瞬、本気で思ったんだ。だから、絶対に受け止めなきゃいけない、と。何か特別な存在に思えた」

「……圭一さん……」

「実際、特別だったけど」

そう言うと、圭一さんは私の方に向き直った。








「香奈、俺と結婚してくれないか?」








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