クール上司の甘すぎ捕獲宣言!
え……?


今、何て……?




「本当……に……?」

「俺が嘘でこんなこという人間だと思うか?」

「……思ってないですけど……本当に……私でいいんですか……?」

「香奈以外、誰がいるんだ」

圭一さんは優しく微笑む。

「今日は、ご両親に結婚を認めてもらう話をしに来たんだ。その前に、ちゃんと、香奈にプロポーズしたかった」

「……」

嬉しくて、言葉にならない代わりに、温かい涙が頬を伝う。

ああ……それで、今日はスーツで来てくれたんだ……。

「本当はもっと早く伝えたかった。でも朱音のことが落ち着いてからにしようと思って……待たせて悪かった」

「……そんなこと……気にしないでください……」

私は首を何度も横に振った。

圭一さんの手が、涙に濡れる私の頬に触れた。

「それで、返事は?」

優しく尋ねられる。

あ……そのセリフ……。

大雨の日、初めて二人で入ったカフェで、圭一さんに付き合って欲しい、って言われた時。





『それで、返事は?』

『へ、返事!?』

『応援してくれる、って言いましたよね?』

『ちょっと待って下さい!』






……どうやって申し出を断ろうか必死だったあの時が、懐かしい。



でも、今は--この人しか考えられない。

私の、大好きな人……!



「……はいっ……よろしくお願いします!!」



私は涙をぬぐうと、満面の笑みで、愛しい人の胸に飛び込んだ。




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