クール上司の甘すぎ捕獲宣言!
番外編
人は見かけによらない
とある、土曜日。
圭一さんが運転する車の助手席で、私はカチコチに固まっていた。
「香奈、そんなに緊張しなくてもいいんだぞ」
「……緊張するな、という方が、ムリです……」
私達はとあるお宅へ向かっている。それは、圭一さんの上司である、杉本部長のお宅。
なぜ、そんな場所に行くことになったのかというと--
先日、仕事帰りに圭一さんと杉本部長とで飲みに行った時、婚約者がいると打ち明けた圭一さんに、部長が、今度ぜひ一緒に連れて来なさい、とお宅に招かれた。
婚約者とはつまり、私のこと。
「業務部の永沢香奈だと言ったら、部長から好評だったよ。他部署でも香奈の評判は良いから、心配ないよ」
杉本部長は、仕事には厳しいけど、部下思いで、素晴らしい人だということは、私も聞いている。
だけど、私が心配しているのは、部長のことじゃない。
その奥様のことなのだ。
圭一さんによると、奥様は、結婚するまで営業部に所属し、バリバリの営業ウーマンとして、活躍していたらしい。
そして、仕事には妥協を許さず、部下にも後輩にもビシバシと厳しく、付いたあだ名が、『鬼の女上司』。
圭一さんも新人の頃、鍛えられた、って当時を思い出したか、少し暗い顔して言ってたし……。圭一さんが震え上がる、ってどんな人よ……。
そんな、鬼女みたいな人と、上手く会話出来るのか、私……!?
ああ、何か、胃が痛くなってきた……帰りたい……。
そうこうしているうちに、車は杉本邸へ到着した。
圭一さんが運転する車の助手席で、私はカチコチに固まっていた。
「香奈、そんなに緊張しなくてもいいんだぞ」
「……緊張するな、という方が、ムリです……」
私達はとあるお宅へ向かっている。それは、圭一さんの上司である、杉本部長のお宅。
なぜ、そんな場所に行くことになったのかというと--
先日、仕事帰りに圭一さんと杉本部長とで飲みに行った時、婚約者がいると打ち明けた圭一さんに、部長が、今度ぜひ一緒に連れて来なさい、とお宅に招かれた。
婚約者とはつまり、私のこと。
「業務部の永沢香奈だと言ったら、部長から好評だったよ。他部署でも香奈の評判は良いから、心配ないよ」
杉本部長は、仕事には厳しいけど、部下思いで、素晴らしい人だということは、私も聞いている。
だけど、私が心配しているのは、部長のことじゃない。
その奥様のことなのだ。
圭一さんによると、奥様は、結婚するまで営業部に所属し、バリバリの営業ウーマンとして、活躍していたらしい。
そして、仕事には妥協を許さず、部下にも後輩にもビシバシと厳しく、付いたあだ名が、『鬼の女上司』。
圭一さんも新人の頃、鍛えられた、って当時を思い出したか、少し暗い顔して言ってたし……。圭一さんが震え上がる、ってどんな人よ……。
そんな、鬼女みたいな人と、上手く会話出来るのか、私……!?
ああ、何か、胃が痛くなってきた……帰りたい……。
そうこうしているうちに、車は杉本邸へ到着した。