クール上司の甘すぎ捕獲宣言!
私は、何だか彼女の肩を持ちたくなった。

「でも、それだけで、怒ったり泣いたりします? まだ他に何か言ったりしたんじゃないですか?」

「それは、主催者の友人に原因があったんです。後から聞きましたが、私があの女性に好意を寄せている、とデタラメを吹き込んだらしくて。勝手にお膳立てしてたみたいです。『お前もいつまでも独り身じゃダメだろ』などと、余計なお世話です」

……彼女は、課長が自分のこと好きだと思ってた分、そうじゃないと分かって、プライドを傷付けられたと思って、あんなに怒ってたのか……。

「あの、こんなこと私が口を出すことじゃないんですけど……もっと別の言い方はなかったんですか? 少なくとも、あの女性は、課長に好意を持っていたわけで……」

「変に気を持たせる方が、卑怯だと思いますが」

「それはそうですけど……」

……課長は見た目クールだけど、恋愛観もそうなのかな……。いや、こういう人はクールどころか、中身ドライアイスかも。

「……第一印象では何も感じなくても、何回か会ううちに、だんだん相手の良い所が分かったり、好きになったりすることもあるんじゃないですか? 世の中、直感ばかりが正しいとも言えないし……」

直感だって、外れることはある。現に私も、彰斗とずっと一緒にいられると思ってたクチだし。まさか、急に別れが訪れるなんて、夢にも思ってなくて。

あれ? なんか悲しくなってきた。


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