クール上司の甘すぎ捕獲宣言!
「どうしましたか?」

課長の声で、ハッと顔を上げた。いつまにか黙りこんでしまったらしい。

「いえ、何でも……。課長は一人でも生けていけるくらい強い人で羨ましいな、って……」

「そこまでロボットみたいな人間じゃありませんよ。……気になる人ならいます」

「えっ!?」

こんな人でも誰か好きになったりするの? 想像つかない……。

「……そんな、珍しい生き物を見るような目で見ないで下さい」

「す、すみません……」

しまった、つい気持ちが目に出てたか。

「きっと美人で仕事も出来る女性なんですね」

「ええ。部署は違いますが、仕事が丁寧でとても可愛らしい人です」

へぇ~、この人も恋するんだ…………ん? 部署が違うってことは……

「もしかして、同じ会社の人ですか!?」

「そうですが」

人の恋の話を聞くと、何か気持ちがほっこりする。

「誰ですかっ? 」

「応援してくれるなら、言います」

「し、します!もちろんっ」

何だ、クールなドライアイス男も、ちゃんと人を好きになれるんじゃない。良かった~。



「永沢さん、私と付き合ってもらえませんか?」


……はい?

今、 何て言った?




「えーと、付き合うってどこにですか?」

「…………」

しばらく沈黙が続いた後、課長が、グッと私の方へ身を乗り出してきた。

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