クール上司の甘すぎ捕獲宣言!
うーん、これ以上聞いても最初の頃に聞いたのと同じか……。
やがて昼休みが終わり、笹倉さんは伝票の件で確認することがあるから、と経理部の方へ行った。
私は、業務部に戻るため、廊下を歩いていると。
向こうから、小野原課長がやって来るのが見えた。
……どうしよう、少し緊張する。
『俺の彼女になって』
そう言われた時の、真っ直ぐな瞳を思い出してしまう。
すれ違う時、何か、言葉を掛けられるじゃないかと思った。
でも……。
課長は、私を見ても、少しも表情を変えることなく、黙って横を通り過ぎた。
え……?
あまりにもあっさりした空気に、私の方が驚いてしまった。
……社内だから、きっと、そう。周りにも何人かいたし。
でも、目が合ったんなら、少しぐらい、表情を変えてくれても良かったのに。
……いやいや、何言ってるんだろう、私。付き合えない、って断ったのは私なのに。
もしかしら、課長は、私がオッケーを出さなかったから、もうあの話は無かったことにしよう、と思ってるのかもしれない。
なのに、それでも自分のことを気にしてほしい、なんて、ただの私の傲慢だ。
……いや、そもそも、私のことを好きと言ったのも、本気だったのか?
やっぱり、からかわれただけなんじゃないの?
そういえば連絡先も聞かれなかったし。その時は、それでホッとしたけど……。
“勘違いのアラサー女” ほど、イタイものはない。
思考の負のスパイラルにはまって、悩むのに疲れた私が出した結論は。
「うん。この前は何も聞かなかったことにしよう」
だった。
やがて昼休みが終わり、笹倉さんは伝票の件で確認することがあるから、と経理部の方へ行った。
私は、業務部に戻るため、廊下を歩いていると。
向こうから、小野原課長がやって来るのが見えた。
……どうしよう、少し緊張する。
『俺の彼女になって』
そう言われた時の、真っ直ぐな瞳を思い出してしまう。
すれ違う時、何か、言葉を掛けられるじゃないかと思った。
でも……。
課長は、私を見ても、少しも表情を変えることなく、黙って横を通り過ぎた。
え……?
あまりにもあっさりした空気に、私の方が驚いてしまった。
……社内だから、きっと、そう。周りにも何人かいたし。
でも、目が合ったんなら、少しぐらい、表情を変えてくれても良かったのに。
……いやいや、何言ってるんだろう、私。付き合えない、って断ったのは私なのに。
もしかしら、課長は、私がオッケーを出さなかったから、もうあの話は無かったことにしよう、と思ってるのかもしれない。
なのに、それでも自分のことを気にしてほしい、なんて、ただの私の傲慢だ。
……いや、そもそも、私のことを好きと言ったのも、本気だったのか?
やっぱり、からかわれただけなんじゃないの?
そういえば連絡先も聞かれなかったし。その時は、それでホッとしたけど……。
“勘違いのアラサー女” ほど、イタイものはない。
思考の負のスパイラルにはまって、悩むのに疲れた私が出した結論は。
「うん。この前は何も聞かなかったことにしよう」
だった。