クール上司の甘すぎ捕獲宣言!
火曜日。

「永沢さん、これ、営業部に持って行ってくれるかな」

「はい……」

部長から、ごっそりファイルを受け取った私は、重い足取りで、目的地へ向かった。

営業部のフロアへ行くといつも、うつむきながら歩く自分がいる。

それは、外回りでほとんど昼間はここにはいないと分かっているのに、もしかしたら彰斗と会ってしまうかもしれないと思うからだ。そして、今は、もう一つ……小野原課長の顔を見なくてすむように。

すると、営業事務の机の横を通った時に、女子社員が話す内容が耳に入ってきた。

「課長、今日から金曜の夜まで出張だって」

「えー、うそ、テンション下がるー」

……そうなんだ……。ということは、今週は会うことはない、ってことね。

少し気が楽になった。


そして、いつものように、日が過ぎていく。

課長も、きっと今頃、何であんな女に……、って、考え直してるはず。

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