クール上司の甘すぎ捕獲宣言!
強力なライバル!?
『香奈~元気!?
今週土曜日の午後から日曜まで休み取れたの! ちょうどダンナも出張でいないから、久しぶりに泊まりに行ってもいい?』
有峰志帆(ありみね しほ)から、そうラインが来たのは、今週の水曜日。私は即、『OK』で返した。
今日は、その当日の土曜日。
朝はゆっくり寝て、昼前から部屋の掃除や片付けを始めた。一息吐いて、ふとカーテンの外を見ると、見事な秋晴れの空が広がっている。
志帆はショートカットが良く似合う、スレンダー美人だ。大学はそれぞれ別だったけど、高校時代から続く、私の大親友。
志帆は約一年前に結婚した後も、引き続きデザイン事務所に勤めている。
去年の秋は私もまだ彰斗と付き合ってたから、出席した結婚式で、志帆のウェディングドレス姿と未来の自分を重ねて見ていた。
……そんな脳内お花畑状態だった自分を、今は思いっきりぶん殴ってやりたい……。
会うのはかなり久しぶり。ラインは頻繁にやり取りしてて近況は分かってるけど、細かいところまでは伝えていない。
彰斗と偶然、会社で再会したことは伝えたけど、小野原さんのことは伝えていない……当然、キスされたことも……。
昨夜のことを思い出して、落ち着かなくなる。
あー、もう何なのよ! キスぐらいで!
中学生じゃあるまいし!
私は再び手を動かし、掃除に没頭した。