クール上司の甘すぎ捕獲宣言!
とりあえず、この格好を何とかしなきゃ……!
慌てて、自分の服を探す。ブラウスとスカートとストッキングは、床に落ちていた。
急いで拾い上げ、身に付けると、部屋のドアをそっと開ける。
そこは廊下だった。右手に玄関ホール。左手には、おそらく、リビングに続くであろう扉。
マンションの造りだ。
……ここ、知ってる気がする……。
マンションの内装なんて、どこも似たり寄ったりだから、ただそう錯覚しただけなのかもしれない。
でも、どうしても確かめたくて、リビングの扉を開けた。
広々とした開放的な空間が広がっている。
私は、ゆっくりとリビングに足を踏み入れた。
白とグレーを基調とした家具。あのソファーは、きっと体が沈んでしまいそうなほど柔らかいはず……。
……以前、ここに来たことがある。
「……ここ、小野原さんの家……」
「そうだ」
「!」
急に後ろから声がして、心臓が飛び出そうになった。
振り返ると、そこには眼鏡を掛けた小野原さんが立っている。
「体調はどう?」
「……はい、大丈夫です……それより」
私は意を決して、尋ねた。
「あの、私、昨日……どうなって……」
「覚えてない?」
「はい……」
「……昨日の香奈は可愛かったな……」
思い出すように、小野原さんは呟いた。
「!!」
何これっ! 正夢……!?
改めて確認。
酔って、記憶が無い。
目が覚めたら、男の部屋。
そして、服を着てなかった。
……ヒィッ……その要素がちゃんと揃ってる!!
私は、その場にガックリと膝をついた。
全然覚えてない……。最悪……。
「ご、ごめんなさい……」
私、ちゃんとしてたかな……? 変じゃなかったかな……?
って、何の心配してるの!? ちゃんと、って、何!?
そもそも、その行為自体が、変なんだから、何をもって変だと……いやいや、今それ別に重要じゃないから!
とにかく、頭の中はパニック状態。
「香奈」
なので、小野原さんが私を呼んだのは分かっていたけど、それどころではなかった。
多分、小さくなりながら、どうしようどうしよう、と念仏のように、唱えていたに違いない。
「香奈」
小野原さんは、私と目線を合わせるようにしゃがみ込むと、再び名前を呼んだ。
私は見られるのが恥ずかしくて、うつむくと両手で顔を覆った。
慌てて、自分の服を探す。ブラウスとスカートとストッキングは、床に落ちていた。
急いで拾い上げ、身に付けると、部屋のドアをそっと開ける。
そこは廊下だった。右手に玄関ホール。左手には、おそらく、リビングに続くであろう扉。
マンションの造りだ。
……ここ、知ってる気がする……。
マンションの内装なんて、どこも似たり寄ったりだから、ただそう錯覚しただけなのかもしれない。
でも、どうしても確かめたくて、リビングの扉を開けた。
広々とした開放的な空間が広がっている。
私は、ゆっくりとリビングに足を踏み入れた。
白とグレーを基調とした家具。あのソファーは、きっと体が沈んでしまいそうなほど柔らかいはず……。
……以前、ここに来たことがある。
「……ここ、小野原さんの家……」
「そうだ」
「!」
急に後ろから声がして、心臓が飛び出そうになった。
振り返ると、そこには眼鏡を掛けた小野原さんが立っている。
「体調はどう?」
「……はい、大丈夫です……それより」
私は意を決して、尋ねた。
「あの、私、昨日……どうなって……」
「覚えてない?」
「はい……」
「……昨日の香奈は可愛かったな……」
思い出すように、小野原さんは呟いた。
「!!」
何これっ! 正夢……!?
改めて確認。
酔って、記憶が無い。
目が覚めたら、男の部屋。
そして、服を着てなかった。
……ヒィッ……その要素がちゃんと揃ってる!!
私は、その場にガックリと膝をついた。
全然覚えてない……。最悪……。
「ご、ごめんなさい……」
私、ちゃんとしてたかな……? 変じゃなかったかな……?
って、何の心配してるの!? ちゃんと、って、何!?
そもそも、その行為自体が、変なんだから、何をもって変だと……いやいや、今それ別に重要じゃないから!
とにかく、頭の中はパニック状態。
「香奈」
なので、小野原さんが私を呼んだのは分かっていたけど、それどころではなかった。
多分、小さくなりながら、どうしようどうしよう、と念仏のように、唱えていたに違いない。
「香奈」
小野原さんは、私と目線を合わせるようにしゃがみ込むと、再び名前を呼んだ。
私は見られるのが恥ずかしくて、うつむくと両手で顔を覆った。