クール上司の甘すぎ捕獲宣言!
「父さん。俺は今、仕事をもっと軌道に乗せたいんだ。彼女はその次だよ」
トモくんは、ビールを一気に飲んで言った。
「そうですよ、おじさん。それに、トモくんならすぐに素敵な人、見付かりますよ」
私もトモくんに加勢するように発言した。
「そうか、香奈ちゃんがお嫁に来てくれたら……嬉しいと思ったんだがなぁ」
……あれあれ、おじさん、よっぽど酔いが回ってるみたい。
「香奈ちゃんのお母さんから、香奈ちゃんのお見合い相手で、誰か良い人がいないか、うちの家内に相談があったんだよ」
「えっ……」
おじさんの言葉に、箸が止まる。
「ちょっと、あなた、その話はまだ内緒にしとくんだったでしょ……」
おばさんが、横で小声で言っている。
「まあ、いいじゃないか、こうしてせっかく来てくれたんだ。それでね、じゃあうちの智之はどうか、と言ってみたところ、では一度会わせてみようということになってね」
「……」
……何言ってくれてるの、お母さん!!
じゃあ何? 今日来たのは、単なるお見舞いじゃなくて、お見合いの前振りみたいなものなの……!?
……一人で行ってきて、とか薄々、何かおかしいとは思ってたけど!!
母にダマされた……!
「父さん、それぐらいにしときなよ。香奈ちゃんが困ってるよ」
トモくんがその話題を切り上げるように言った。そして、
「ごめん、父さん、酔ってるだけだから、気にしないで」と申し訳なさそうに謝られた。
「あ、ううん、びっくりしただけ……」
私も慌てて笑顔を作って、答える。
……でも、内心は怒りが収まらない……!
急に席を立つとあからさまなので、しばらく談笑してから、「お手洗いに……」と席を外して、廊下に出た。
もちろん、トイレなどではない。
私は玄関付近に行くと、携帯で母に電話を掛けた。
数回コールした後、『はい、もしもし、香奈?』と、何とものんきな母の声が聞こえた。
それですら、腹が立つ……!
「ちょっと、お母さん!聞いてないわよ!」
大声だと、周りに聞かれるので、声のトーンは普通に、でも、相手にぶつけるような口調で言った。
トモくんは、ビールを一気に飲んで言った。
「そうですよ、おじさん。それに、トモくんならすぐに素敵な人、見付かりますよ」
私もトモくんに加勢するように発言した。
「そうか、香奈ちゃんがお嫁に来てくれたら……嬉しいと思ったんだがなぁ」
……あれあれ、おじさん、よっぽど酔いが回ってるみたい。
「香奈ちゃんのお母さんから、香奈ちゃんのお見合い相手で、誰か良い人がいないか、うちの家内に相談があったんだよ」
「えっ……」
おじさんの言葉に、箸が止まる。
「ちょっと、あなた、その話はまだ内緒にしとくんだったでしょ……」
おばさんが、横で小声で言っている。
「まあ、いいじゃないか、こうしてせっかく来てくれたんだ。それでね、じゃあうちの智之はどうか、と言ってみたところ、では一度会わせてみようということになってね」
「……」
……何言ってくれてるの、お母さん!!
じゃあ何? 今日来たのは、単なるお見舞いじゃなくて、お見合いの前振りみたいなものなの……!?
……一人で行ってきて、とか薄々、何かおかしいとは思ってたけど!!
母にダマされた……!
「父さん、それぐらいにしときなよ。香奈ちゃんが困ってるよ」
トモくんがその話題を切り上げるように言った。そして、
「ごめん、父さん、酔ってるだけだから、気にしないで」と申し訳なさそうに謝られた。
「あ、ううん、びっくりしただけ……」
私も慌てて笑顔を作って、答える。
……でも、内心は怒りが収まらない……!
急に席を立つとあからさまなので、しばらく談笑してから、「お手洗いに……」と席を外して、廊下に出た。
もちろん、トイレなどではない。
私は玄関付近に行くと、携帯で母に電話を掛けた。
数回コールした後、『はい、もしもし、香奈?』と、何とものんきな母の声が聞こえた。
それですら、腹が立つ……!
「ちょっと、お母さん!聞いてないわよ!」
大声だと、周りに聞かれるので、声のトーンは普通に、でも、相手にぶつけるような口調で言った。