ワイルドストロベリー~不思議な花屋の独り言~

その光景にポカンと口をあけてると
壊れたラジオに一喝するように悠里が言葉を
遮る…

「奏多五月蝿い!真由香は初対面で優しいからアンタの話し聞いてくれるかもだけどちょっと落ち着いたらっ」


おいおい悠里アンタもいくら旦那の同期だからと
もう少し優しい対応しても五月蝿いアンタって
そりゃお祝いに駆けつけてきたゲストの対応が可哀想
ではないか…
しかしその一喝にもめげず


「悠里ちゃんゴメンゴメン真由香ちゃんに可愛いっておもわれたくて~オジサンだけどまだまだいけるでしょ僕\♪♪/」

ハァ…と肩を落とす悠里…
ウザがられても気にしない壊れたラジオ

「あのぉ身長とかってコンプレックスとかないんですか?



2人の漫才聞きながら少し遠慮気味に
尋ねてみた

「ん?なんで?真由香ちゃん気になる?僕の身長」


うわっ気まずい
これじゃ他人のコンプレックスだろうことを
掘り下げる嫌な女ではないか
少し申しわけない感じの表情をしてるだろう自分に


「えーっなんで?僕気にならないよ」

とニコニコしながら背が低くても…アレやコレや
とポジティブな言動を大安売りのオンパレードの
ように叩きうり状態でベラベラ話し続ける


その様子をみながら常に崩さず今まで自分がある意味
コンプレックスや感情を余り表に出さず
無難な大人女子を演じてきたことがなんだか
つまらない人間に思えてしかたなくなった…
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