婚前同居~イジワル御曹司とひとつ屋根の下~
「髪触ってただけじゃないか」
「オフィスで触られれば、ドキドキ感二倍増しなんです! そ、それに首とか耳とか弱いって知って、面白がってるじゃないですか……!」
あまりにシレッと言われるから思わず声を上げて反論した。
そう、その弱点を知られたのは昨夜のこと。
指でくすぐりながら吐息を吹き掛けられて、今までで一番敏感な反応を返してしまった。
自分でも弱いなんて知らなかったから、すごく恥ずかしかった。
そして樹さんはすごく面白がってたから、今意地悪に仕掛けてくるのも絶対に確信犯なのはわかってる。
なのに、樹さんは「その程度で」と言いたげに、ふんと鼻を鳴らして腕組みをする。
「つまり、『聞いてませんでした』ってとこだな。制裁決定」
「……えっ」
「ちょっとくすぐる程度のことなら、この一週間で免疫ついてきたっぽいしな……お前、なにされたら半泣きになる?」
聞いてるだけで震え上がりそうなくらい物騒な樹さんの言葉。
『半泣き』というのがなお怖い。
危険を感じて、私は顔の筋肉がピクッと震えるのを感じた。
明らかに怯えた表情の私に、樹さんはチラッと目を向けて、フッと意地悪な微笑みを浮かべた。
「い、樹さん……」
「ん? なに?」
「す、すごく悪い顔してます……」
「そりゃ、悪いこと考えてるから」
「オフィスで触られれば、ドキドキ感二倍増しなんです! そ、それに首とか耳とか弱いって知って、面白がってるじゃないですか……!」
あまりにシレッと言われるから思わず声を上げて反論した。
そう、その弱点を知られたのは昨夜のこと。
指でくすぐりながら吐息を吹き掛けられて、今までで一番敏感な反応を返してしまった。
自分でも弱いなんて知らなかったから、すごく恥ずかしかった。
そして樹さんはすごく面白がってたから、今意地悪に仕掛けてくるのも絶対に確信犯なのはわかってる。
なのに、樹さんは「その程度で」と言いたげに、ふんと鼻を鳴らして腕組みをする。
「つまり、『聞いてませんでした』ってとこだな。制裁決定」
「……えっ」
「ちょっとくすぐる程度のことなら、この一週間で免疫ついてきたっぽいしな……お前、なにされたら半泣きになる?」
聞いてるだけで震え上がりそうなくらい物騒な樹さんの言葉。
『半泣き』というのがなお怖い。
危険を感じて、私は顔の筋肉がピクッと震えるのを感じた。
明らかに怯えた表情の私に、樹さんはチラッと目を向けて、フッと意地悪な微笑みを浮かべた。
「い、樹さん……」
「ん? なに?」
「す、すごく悪い顔してます……」
「そりゃ、悪いこと考えてるから」