婚前同居~イジワル御曹司とひとつ屋根の下~
そんな私の顔に、樹さんは非情にもプッと吹き出し、
「俺は茹ダコがキョドってるみたいな顔って思ったんだけどね。確かにフグでもいいな」
そんな意味不明な茶化し方をしながら、更にクッと手の力を強める。
「ふぐぐ~っ!」
更に唇を突き出す形になって動かせないまま抗議の声を上げると、それが更に樹さんのツボに嵌ったようだった。
「あ~あ。こんな顔男に見せたら、お前もう嫁にいけないな。俺も夜な夜なうなされそう……」
そんな酷いことをさらっと言いのけ、肩を揺らして笑いながら樹さんはやっと手を離してくれた。
指の痕が残るんじゃないかと思うくらい強く掴まれたせいで、地味に痛い。
私は更に頬をカーッと赤らめながら、軽く樹さんの胸を突き飛ばしてキッと睨み付けた。
「い、樹さんにしか見せてないじゃないですか……! フグみたいな顔も、は……裸も、全部っ……」
唇を尖らせながら精一杯そう言ってそっぽを向いた。
樹さんは一瞬黙って肩を上げると、玄関のドアハンドルに手を掛けた。
「そうだったな。……初物尽くしで光栄だね」
「っ……!!」
予想外の返しに言葉を失くし、口籠ったのは私の方だった。
言葉が声にならないまま、口をパクパクさせる私を肩越しに振り返り、樹さんは小さな溜め息をついた。
「俺は茹ダコがキョドってるみたいな顔って思ったんだけどね。確かにフグでもいいな」
そんな意味不明な茶化し方をしながら、更にクッと手の力を強める。
「ふぐぐ~っ!」
更に唇を突き出す形になって動かせないまま抗議の声を上げると、それが更に樹さんのツボに嵌ったようだった。
「あ~あ。こんな顔男に見せたら、お前もう嫁にいけないな。俺も夜な夜なうなされそう……」
そんな酷いことをさらっと言いのけ、肩を揺らして笑いながら樹さんはやっと手を離してくれた。
指の痕が残るんじゃないかと思うくらい強く掴まれたせいで、地味に痛い。
私は更に頬をカーッと赤らめながら、軽く樹さんの胸を突き飛ばしてキッと睨み付けた。
「い、樹さんにしか見せてないじゃないですか……! フグみたいな顔も、は……裸も、全部っ……」
唇を尖らせながら精一杯そう言ってそっぽを向いた。
樹さんは一瞬黙って肩を上げると、玄関のドアハンドルに手を掛けた。
「そうだったな。……初物尽くしで光栄だね」
「っ……!!」
予想外の返しに言葉を失くし、口籠ったのは私の方だった。
言葉が声にならないまま、口をパクパクさせる私を肩越しに振り返り、樹さんは小さな溜め息をついた。