婚前同居~イジワル御曹司とひとつ屋根の下~
その身体が一瞬フラッと揺れて、私は慌てて手を伸ばした。
脇腹辺りを支える私の肩に、彼の手がのせられる。
力が籠ったのはほんの一瞬で、樹さんはすぐに自分の足でしっかり体勢を持ち直した。
「……悪い」
顔を背けて一言ボソッとそう言って、樹さんはちょっと乱暴に私の肩を押しのけ背を向けた。
そのまま振り向かずにデスクから離れて行く。
「あ。あの、気を付けて……!」
慌ててそう声を掛けて頭を下げると、樹さんは軽く左手を上げて、私にヒラヒラッと振ってくれた。
たったそれだけのことでも、樹さんが私に向けてくれた合図だと思ったら、ドキドキして嬉しくなってしまう。
強がってても本当はすごく身体がキツくて、私に嫌味を言うのも面倒臭いのかもしれないけど。
樹さんがオフィスから出て行く背中を最後まで見送って。
「……よし。少しでも樹さんの支えにならなきゃ」
私は拳を握って自分に気合を入れると、自分のデスクに戻った。
彼の右腕になるなんて大きなことは言えないけれど、樹さんが私に与えた役割なら、頑張れば務められる。
とりあえず、誰かに航行管理書の作り方を教えてもらう……ところから始めないと!!
脇腹辺りを支える私の肩に、彼の手がのせられる。
力が籠ったのはほんの一瞬で、樹さんはすぐに自分の足でしっかり体勢を持ち直した。
「……悪い」
顔を背けて一言ボソッとそう言って、樹さんはちょっと乱暴に私の肩を押しのけ背を向けた。
そのまま振り向かずにデスクから離れて行く。
「あ。あの、気を付けて……!」
慌ててそう声を掛けて頭を下げると、樹さんは軽く左手を上げて、私にヒラヒラッと振ってくれた。
たったそれだけのことでも、樹さんが私に向けてくれた合図だと思ったら、ドキドキして嬉しくなってしまう。
強がってても本当はすごく身体がキツくて、私に嫌味を言うのも面倒臭いのかもしれないけど。
樹さんがオフィスから出て行く背中を最後まで見送って。
「……よし。少しでも樹さんの支えにならなきゃ」
私は拳を握って自分に気合を入れると、自分のデスクに戻った。
彼の右腕になるなんて大きなことは言えないけれど、樹さんが私に与えた役割なら、頑張れば務められる。
とりあえず、誰かに航行管理書の作り方を教えてもらう……ところから始めないと!!