婚前同居~イジワル御曹司とひとつ屋根の下~
樹さんを支えたくて取り組んだ仕事。
続きを任せてくれるってことは、私、ちゃんと役に立てたのかもしれない!
「や、やります! やらせてください!」
湧き上がる興奮で、声が大きくなってしまうのを抑えられない。
鼻息まで荒くなる私に嫌そうに眉尻を上げながらも、樹さんは長い足を組み上げ、私をチラリと意地悪く見上げた。
「言っとくけど、その赤全部直しても合格ってわけじゃねーぞ。面倒臭くて途中で放棄したから、その量で済んでるんだし」
「はいっ! 肝に銘じて頑張らせていただきます!」
ニッコリ笑いながら、ギュッと拳を握ってみせる。
そんな私に、樹さんは呆れたような顔をした。
「……ったく。お前をへこませようとしても、無駄だったっけな。俺、昨夜思い知ったんだった」
そう呟いて樹さんが肩を竦めた時、彼のデスクのPHSが着信した。
ん?と反応して手を伸ばすのを見て私はペコッと頭を下げると、鼻歌を歌いたくなるのをどうにか我慢しながら自分のデスクに戻った。
「……なに? やけにご機嫌じゃない?」
隣のデスクの青木さんにコソッと言われて、私は樹さんに仕事を任せてもらえたことを話した。
それに彼女は「ふ~ん」とつまんなそうに鼻を鳴らしただけ。
「確かに社員の頭数は限られてるんだから、有効活用は大事ではあるけどね」
続きを任せてくれるってことは、私、ちゃんと役に立てたのかもしれない!
「や、やります! やらせてください!」
湧き上がる興奮で、声が大きくなってしまうのを抑えられない。
鼻息まで荒くなる私に嫌そうに眉尻を上げながらも、樹さんは長い足を組み上げ、私をチラリと意地悪く見上げた。
「言っとくけど、その赤全部直しても合格ってわけじゃねーぞ。面倒臭くて途中で放棄したから、その量で済んでるんだし」
「はいっ! 肝に銘じて頑張らせていただきます!」
ニッコリ笑いながら、ギュッと拳を握ってみせる。
そんな私に、樹さんは呆れたような顔をした。
「……ったく。お前をへこませようとしても、無駄だったっけな。俺、昨夜思い知ったんだった」
そう呟いて樹さんが肩を竦めた時、彼のデスクのPHSが着信した。
ん?と反応して手を伸ばすのを見て私はペコッと頭を下げると、鼻歌を歌いたくなるのをどうにか我慢しながら自分のデスクに戻った。
「……なに? やけにご機嫌じゃない?」
隣のデスクの青木さんにコソッと言われて、私は樹さんに仕事を任せてもらえたことを話した。
それに彼女は「ふ~ん」とつまんなそうに鼻を鳴らしただけ。
「確かに社員の頭数は限られてるんだから、有効活用は大事ではあるけどね」