ひと月の妹

私が着ていた真紅の薔薇のドレスのせい?

紫藤司さんの情熱を私は簡単に受け入れてしまった。

(私の頬を打ったくせに・・・)

その伸びてくる どこまでも細く綺麗な手を

拒むことができない・・・

 
妖しい桜の化身のような人

桜の花びらを一枚一枚 音もなく

そっと川面に降らせるように

私の体に少しずつ咲いていく花

花びらを受け取る私は徐々に色づいていく

 

 

 

 

 
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