ひと月の妹

・・・おかしなものだなぁ~


『ひと月の妹』

「嫁にいく前は、家族と一緒に過ごすべきだろう?」

家族でもない他人を自分の暮らすマンションに連れてきて・・・

「おまえは、妹なんだからここにいろ!」

あきれるほどに勝手な言い草だな

それなのになじんでやがる。
  
「クククッ」

司は、笑ってしまった。

  
『紙の上では兄と妹になったんだ。』

それなのに・・・

『もうすぐ他の男の元へ嫁いでいくと言うのに・・・』

それがどうした?

オレはやりたいようにやるだけだ!

 
おふくろは、知っているはずなのに何も言ってこない。

それが不思議だ。


星(アカリ)は、電話をしてきて輸入雑貨の事で

友達たちと多忙だから、しばらく時間が取れないと

言ってきた。


あの女は外にはでていない。

昼間は室内のジムで運動をして過ごしている

と通いの家政婦からの報告書を読んだ。

『本当におかしな女だ。』

連れてきたのに 逃げ出す気配もなく

運動をしたり、本を読んだり

ソファーで映画を見たり、

帰ってきたオレにベッドに運ばれたり。

   
『恋人と暮らすというのは、こういう感じなのか?』


仕事が忙しくて家に人が居ない

これがオレの日常だったのに・・


『オレには付き合っている女が・・・いないようだ』


(いつからだ?)


仕事のし過ぎなのか?

そんなことさえ憶えてもいない。


かなり重症だ

  
そんなことを気にしている暇もないほど

忙しくもあるんだが・・





   

  

   

   
   

    
 
   



   


   

   

   

   



  

  


  

  
  

 
  

 

  


  

 
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