ひと月の妹
「・・・」
どうしよう・・・
「あなたたちは、双子?
それとも良く似た他人ですか?」
「・・・」
「答えたくないですか?」
「そうですよね。いきなりは
怖がらせるだけですよね。」
「僕が学生の頃、あなたと紫藤さんは
憧れの存在で有名だったんですよ。」
「彼の存在感は他者を圧倒する美」
「僕ら男子もうっかり見とれる奴がでるくらい」
「その彼の横にはいつも一緒で並んで
歩いている美しい少女と美しい妹」
「学生時代、僕らはよくあなたたち3人を
見ていたんです。」
「まぁ、私設ファンクラブってとこですけど」
佐々木さんはちょっと笑いながらコーヒーを少し飲んだ。
「だから画廊で紹介された相手が
学生時代の憧れの美少女で
すごく嬉しかったんですよ。」
「だけど話してみて、よく見たらすごく
そっくりなのになんだか違和感があったんです。
学生時代から見てきた僕の中のあなたの印象。」
「だけどそっくりな人がいるなんて思ってなかったから」