ひと月の妹
「学生時代に話をしたこともない僕が
どうして、あなたを本物だと
思うのか気になりますか?」
(ええ、すごく気になります。)
「事実はともかく、お話は伺います。」
「良かった!」
「聞きたくないって言われるか
ちょっと心配だったので。」
「ちょっと飲みませんか?」
「さっきから一口も飲んでないですよ。」
お互いに冷たい飲み物に口をつけた。
佐々木圭さんはちょっと笑って
「そうそう、続けますね」
「声です。」
「えっ?」
「さっき私設ファンクラブって話をしたでしょう?」
「ええ」
「そこでちょっと声を録音する奴がいたんです。」
「僕らはそういうの貰って声を聴いていたんです。」
「僕は繰り返し聞いたんです。」
「寝る頃にあなたの声を」
「なんかこれだと告白みたいですか?」