ひと月の妹
みかんは羽島財閥に勤めていた。
家は兄が継いでいてみかんに特に
家問題があったわけではない。
「みかん」なんて、ふざけた名前が
いけなかったのかもしれない
幼馴染なら許すけど、
付き合わないで
結婚ならお話は別なのよ。
あの人は確かにそう言ったもの
いつもみかんに立ちふさがる大きな壁のように
だけど・・・
自分では気に入ってる名前
恋人も気に入ってくれた自分の名前
庭のテーブルにみかんを並べてくれた
『みかんの名前』
恋人はそんな事をする人には見えないので
彼が庭でみかんを手に持ち口づけるだけで
自分はとても愛されている幸せな気分をもらえた。
恋人の名前を呼んで走って彼に自分から口づけた。