ひと月の妹
車は公園の駐車場に止まり
佐々木圭さんは、私の方を向いて今度は
わたしの言葉を待つように
「話して下さい。」とだけ言って彼は黙った。
わたしも彼の方を向いて少し強く結んだ唇を開いた。
「交通事故は対向車がいきなりぶつかってきたものでした。」
「車には私と星(アカリ)ちゃんが乗っていました。」
「運転は星(アカリ)ちゃんがしていました。」
「運転席だけが、ひどく壊れ、かろうじてわたしは外へでたようです。」
「そこで意識を失ったようです。」
「目覚めたのは、病院でした。」
「妹の星(アカリ)ちゃんが亡くなってショックを受けた
司さんは、わたしの事を忘れてしまいました。」
「司さんの記憶の中で星(アカリ)ちゃんは今も生きています。」
「それで、わたしが星(アカリ)ちゃんになりました。」
「それから、あの人と言われた彼女は私の双子の姉です。」
「お聞きになりたかったことの答えになりますか?」