ひと月の妹

二人で食事を一緒にした。

彼女を家に送って、明日また会う約束をした。

「おやすみ」と言って欲しくて夜に電話を掛けた。

明日会う人たちの事を伝えて少し話をして


「圭さん、おやすみなさい。また明日」


その一言が聞きたかった。

ただ、それだけだったんだ。


学生の頃に何度もその声を聴いて

僕は幸せな眠りに就いた。

 
僕はまた同じように幸せな気分で朝を迎えた。

 

 

 



 

 

 
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