ひと月の妹

「二人が男女の仲だとあなたはご存じでしたか?」

「えっ?」

「あまり驚いた様子がないから」

「わたしは・・・みかんさんに会いに

マンションへ遊びに行っていたから」

「ああ、それで・・そこで僕の話はしなかったんですか?」

「スパイがいるので何も話しませんでした。」

「スパイ?」

「お手伝いさんです。」

「ああ、どこでもお手伝いさんはやっかいですね。」

「ええ、それなりね。」

「僕があなたを慰める役ができる立場になれるかと思ったのに」

「あなた方は、本当に僕にチャンスをくれない人たちだ。」

 

 

 
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