ひと月の妹

笑わない漆黒の瞳はソファーで

私の手を繋ぎ頭を肩に乗せ、じっとしている

そのうち、疲れたのか、頭が落ちてきて

私の腿の上で安らかな寝息をたてる

まるで緊張に張りつめた日常をつかの間に解くように

(佐々木財閥の佐々木圭さんにどんな話をしたの?)

どうして、私はここにいることができるの

権力を手にする男は行動が自由すぎる

聞きたいことを口にする隙をくれず

 

 

 

 

 

 

 
< 19 / 302 >

この作品をシェア

pagetop