ひと月の妹
夜にだけ訪れる時間
ふたり温めあうだけ
マンションの部屋の鍵がもう一つ増えた。
わたしの住むマンション内の別の部屋
彼は不動産としてひとつ所有していたらしい。
わたしの薬指にもうひとつ
新しい指輪が光っている
「僕にふたつの席を与えて」
「良い友達の席も明け渡したくないし、
温めてあげることができる席も
別の誰かにあげたくないから」
「考えて・・・」
「僕はこれからあなたの名前を手にする人だ。」
「本物は誰?」
「あなたは僕のひとだろう?」
「フランスにもおいで」