ひと月の妹
「大学の頃もまったく同じ状況なのが解かるだろう?」
「うん」
(同じ教授に教わっているのにわたしは彼を知らなかった。)
「僕がダブルで可哀そうだろう!」
「うん」
「変な校則があったのを覚えてる?」
「うん」
「敷地内が一緒でも他校の生徒に
みだりに話しかけたり
男女交際を迫ってはいけません。」
「大学でもそんな変な校則だったね。」
「そう、本気で退学迫る時代錯誤な学校だった。」
「そのくせ、卒業式は一日違い」
「他校生は入れない」
「ひどすぎるだろ!」
「僕が君にどれだけ憧れても声すら
掛けていない理由がちゃんとあるだろう?」
「うん、本当だ。」