ひと月の妹

「大学の頃もまったく同じ状況なのが解かるだろう?」

「うん」

(同じ教授に教わっているのにわたしは彼を知らなかった。)

「僕がダブルで可哀そうだろう!」

「うん」

「変な校則があったのを覚えてる?」

「うん」

「敷地内が一緒でも他校の生徒に

みだりに話しかけたり

男女交際を迫ってはいけません。」

「大学でもそんな変な校則だったね。」

「そう、本気で退学迫る時代錯誤な学校だった。」

「そのくせ、卒業式は一日違い」

「他校生は入れない」

「ひどすぎるだろ!」

「僕が君にどれだけ憧れても声すら

掛けていない理由がちゃんとあるだろう?」

「うん、本当だ。」

 







 

 


 

 
< 197 / 302 >

この作品をシェア

pagetop