ひと月の妹

 
紫藤佳代子は息子である司さんと早乙女佳澄さんの

結婚話を取りまとめたく、早乙女佳澄を呼びだしていた。

「そろそろ 司さんとの事、きちんと進めたいのだけど」

「ええ、私からもお願いしたいとは、思っておりました。」

「司さんは、あなたに肯いて下さるかしら?」

「あなたがすべきことはお分かりよね?」

「はい、努力してみます。」

「そう、良いお返事がお二人から聞けるのを

わたくしは、お待ちしていればいいかしら?」

紫藤佳代子はニッコリと微笑むと

「では、佳澄さん、近いうちに期待していますよ。」

「はい」

「もう、お帰りになっていいわよ」

「失礼します。」

 
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