ひと月の妹
その女はホテルの一室にいた。
「今日は、あの秘書さんはいいのか?」
「もちろん、後で会うわ」
「また、会えるかい?」
「そうね、また連絡するわ」
「なぁ、もう少しいいか?」
「あんたみたいな綺麗な女をもう少し可愛がりたい」
「解るだろう?」
「ふふふっ、ええ、もう少し付き合うわ」
数時間後、女はまた違うホテルにやって来た。
「行きましょう。」
部屋のキーを持った男と連れだって入った。
「佳澄・・・」
「信也さん・・・」
「わたし、紫藤司さんを捕まえにいくわ」
「紫藤佳代子から許可が下りたのか?」
「ええ、そうよ」
「前祝よ、信也さんも喜んでくれるでしょう?」
「ああ」
男は女の手にそっと重ねた手で合図送った。
女は目を閉じてそれに答えた。
女に罪悪感はなかった。
彼女はお嬢さまだから
退屈を紛らわせるだけ
人がジムに通うようにそれは運動をするだけ
彼女にとってはすべてはそんなもの
運動の種類は多い方がいい。
ただ、それくらいのこと。
彼女は愉しみにしている。
新しく運動をすることを・・・