ひと月の妹
どこまでも灰色な空を眺めながら
ずっと息子が仕事に打ち込む情熱を褒めていたのに・・・
息子に電話を掛け
どの方と籍を入れたのかと聞いてみたら
「羽島みかん」
わたくしがせっかく妹にしてあげたのに・・・
みかんさんと籍を入れたのだ。
「お母さんが最初に彼女を私の妹にして、気にくわないこと
このうえなかったので、仕事の合間に」
悪びれもせず言う息子
あのように忙しく仕事をして、そこに
どんな合間があったというのだろうか?
息子のどこまでも隠し持つ優秀さに
頭を抱える始末だった。
みかんさんが最初から気にいらなかったわけじゃない。
だけどもっと、もっと、会社への夢を拡げたい
わたくしの野心だった。
それなのに・・・
それなのに・・・
やはり・・・なのね・・・