ひと月の妹
「信也さん」
早乙女佳澄は佐藤信也に抱きついた。
「どうしたんだ?」
「抱いてよ」
「何かあったのか?」
「知らない、知らない」
子供のような佳澄
「判った、いいよ」
我が儘でも信也にとっては
可愛い女なのだ
「おいで」
「あの人嫌いよ」
「大嫌いよ」
「判ったよ」
「もう、気にするな」
「ええ」
切り替えも早いのも佳澄の長所なのだ
信也は彼女の首筋に舌を這わせて
彼女を静かにさせた。