ひと月の妹
朝起きて、私たちは集合し直して
婚姻届を提出に行った。
それが無事に済むと
「まずは、写真を撮りに行こう!」
わたしはウェディングドレスを着せられ
彼と一緒に写真に納まった。
(そうか、このために全身に
赤く色をつけないと前の晩に言ったのね。)
「いつ、予約をいれたの」
「予約なんて取らないさ」
「僕がオーナー、君専属、いつでも準備してもらっています。」
「私の衣装のサイズはどこから?」
「君が代わりで紫藤佳代子さんに
つき合わされてた花嫁衣裳の準備のときのを貰ってきた。」
「知ってたの?」
「星(アカリ)さん、僕は花婿さんの役だったんだけど・・」
「・・・」
秘密基地にそれは大きなパネルに引き伸ばされて飾られた。
「圭さん、準備が出来すぎているわ」
(隣にいつコピーを取ったんだろう?)
婚姻届けも額に納められていた。
「さて、今後の事だけど・・・」
「学校の教授たちや事務方には僕が上手く話すから
君は紫藤星(アカリ)で大学を卒業したらいい」
「大学に恩を売っておいて本当に良かったよ」
「今、君と籍を入れて良かったと改めて気づいたよ」
「どうして?」
「紫藤佳代子」
「おばさまがどうしたの?」
「気まぐれに君にいつ縁談を持ってくるか?」
「ああ、本当に考えると怖ろしいことがたくさん浮かぶよ」
(こんなにしっかりした人とわたしは籍を入れてしまったのね。)