ひと月の妹
そんな風に穏やかな時間が過ぎていた頃
あたしは佐々木透さんに呼びだされた。
彼は圭さんのお父さんだ。
それも圭さんには内緒で来るようにと呼びだされた。
ああ、羽島みかんで会いに行きたい~
そんなことを思いながら指定場所に遅れないように向かった。
名前を告げて係の人に連れられてお座敷に通された。
そこには、圭さんのご両親が揃っていた。
(機嫌は悪くないみたい・・)
困った友達のすごい能力はお父さんに似たんだ。
お二人にはあたしが『羽島みかん』だとバレてしまっていた。
羽島財閥に勤務中、佐々木透さんには、お会いした事があった。
透会長は羽島みかんのあたしにすごく優しくていつも
温かく仕事を頑張るように声を掛けて下さっていた人でもあった。
お二人の言い分はこうだ。
息子の「圭さんが結婚をするのなら羽島みかんさんとしかあり得ない。」
(なんで、そう言い切れるのですか?)