ひと月の妹

そんな風に穏やかな時間が過ぎていた頃

あたしは佐々木透さんに呼びだされた。

彼は圭さんのお父さんだ。

それも圭さんには内緒で来るようにと呼びだされた。

ああ、羽島みかんで会いに行きたい~

そんなことを思いながら指定場所に遅れないように向かった。

 
名前を告げて係の人に連れられてお座敷に通された。

そこには、圭さんのご両親が揃っていた。

 
(機嫌は悪くないみたい・・)

困った友達のすごい能力はお父さんに似たんだ。

お二人にはあたしが『羽島みかん』だとバレてしまっていた。

羽島財閥に勤務中、佐々木透さんには、お会いした事があった。

透会長は羽島みかんのあたしにすごく優しくていつも

温かく仕事を頑張るように声を掛けて下さっていた人でもあった。

お二人の言い分はこうだ。

息子の「圭さんが結婚をするのなら羽島みかんさんとしかあり得ない。」

(なんで、そう言い切れるのですか?)

 

 



 



 
< 239 / 302 >

この作品をシェア

pagetop