ひと月の妹

 息子である圭さんは、学生時代にある女の子に憧れて

ずっと長い片思いをしていたそうだ。

彼女には、幼馴染でいつも一緒にいる男子学生の恋人がいて、

ふたりはいつも仲よく過ごしている。

きっと彼と彼女は将来結婚するだろう。

でも、自分は彼女が好きで他の人をとても好きになれそうにもない。

そんな告白をご両親は卒業間際の耐えた人にはお見合いの話を

持ってこれる日に裏で聞かされていたらしい。

年寄連中に、お見合い相手の名を一人告げるように

言われて、彼の口からその話が飛び出したらしい。

あの話には続きがあって、圭さんは他の人を好きにはなれないので

自分はこのまま一生独りでも構わないと誰の名前も言わないで

その場を終わらせたらしい。

卒業をして圭さんが働き出して、時々、仕事を終えた後に

ある一人の女の子を見に行くことが判ったらしい。

車で通り掛かったり、長く滞在しているわけではなかったらしいが、

ご両親はきっと、それが息子の好きな女の子なのだと思った。と・・・

相手の女の子には付き合っている幼馴染の恋人がいるようなので

何もすることができないご両親だったらしい。

しかし、人生は長いので、父である透会長は息子に教えず

こっそり その女の子に関わっておくことを決めたらしい。

 

 

 

 

 
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